BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

2019-01-01から1年間の記事一覧

何でも創造の出来る神になりたいとおもうときがある ししゃも生者も みなごちゃまぜにしたいときがある 犯罪をおかした悪人も 誰かを愛し抜いた愛の人も みな ごちゃまぜにしたいときがある 大統領も犯罪者も子供も精神異常者も みな裸にして 手を繋げ合わせ…

いつも通り、深夜のリビングには疲れ切った父さんが眠っている。 そこに「上で寝なさいよ」と注意をする母さんはもういない。 ありあまった食糧も、おれの朝ごはんのアイスもなく、冷凍庫はしんとしている。 すぐに片付けたがる母さんがいないから、コンビニ…

オカマが輝いた場所

去年、オカマバーに行った。ショーの始まりから終わりまで、感動しっぱなしだった。涙が出た。横にいた友人に、「マジで感動する。カッコイイね。」と言い、「きっとこうなるまでに色々苦難あっただろうに、今ここで輝いてると思うと…」と付け加えると、 「…

羊と鋼とモノクロ

ねむりを妨げるものより この世で一番はらがたってかなしいのは ぼくからぴあのがいなくなることだ それもおれがまだ かきくけこ の き すら上手く発音できない頃から この手にずっと馴染んだモノクロと その中で音を創り出す羊と鋼 調律だってしばらくして…

人間模様の正解

人間関係全てに正解があればいい。 人間関係のはじまりは自由やファンタスティックなもので構わない。 よくわからなくたって構わない。 けれど人間関係のオワリはそっと誰かに道筋を照らしてほしい。 人間関係のオワリとは連絡が途絶えたりLINEがブロックさ…

はだかになりたがった少女

自分が生まれた日。 裸だった。 みんなが裸のぼくを抱きしめた。 今日はどうだろう。 服を着ている。 もうパパもママもおばあちゃんも おじいちゃんも友達も 布を剥がしたぼくの裸体には触れてくれやしない。 いっそ今日まで 誰も服を着させてくれなきゃよか…

鼓動

大好きな人がまたひとり死んだ。 ドラムを叩いている彼はいつも体の底からリズムを生んでいた。 その鼓動がそのまま、今もみなの記憶の中で彼らしく動いている。 彼の育ちも好きなものもぼくは特に知らない。 会った回数もそれほど多くない。 それでもぼくは…

100人の村

村の人口が100人だと決まっていてもう減ることも増えることもないとするならば、そして99人のことをよく知っているのならば。 少なくとも5.6人は好きになれる異性がいるだろうか。それともたった1人だけ誰にも譲れないほど恋に落ちる異性がいるだろうか。は…

「人」接客業を辞めた理由

もう大分まえだ。ある人に「パーシーのどこが好きなん?」と聞いたら、限りなく語彙力を削り落とした舌足らずの状態で十分に間をとった後、「…人。うん、人。常に“人”って感じなんだよね。」と言った。その後、彼は首を傾げて何か言葉を足そうと試みたが、足…

あの日、ぼくのお父さんは見たこともない顔をした。

あの日、ぼくのお父さんは見たこともない顔をした。 こんなにずっと一緒にいたはずなのに、見たこともない顔をした。 こんなにずっとひとつ屋根の下にいたはずなのに、そうでもなかった。 それは春の雪をキラキラと 照らし溶かす太陽のように。 またその輝い…

死んだ魚の目は死んでいない

今まで、魚にとっても失礼なことを言っていた。 生きる喜びや目的を失っている人や社畜の人間の目を、「死んだ魚の目」とよく聞いたり言ったりすることがあったけれど、それは間違いでした。 昨日、居酒屋の食卓に出てきた活エビの目は、とっても愛おしくて…

家を失くした少女

家にかえると、ぼくのものはすっかり、いやほとんどなかった。 ぼくは泣いてしまった。 洗面所のコップも、ふとんも。 ぼくは悲しかった。 もう引っ越しているし別になにもおかしいことではないけれど。 ほっとするために家にかえってきたのに、僕は悲しさと…

ぼくが雪だとするならば

今日しぬのなら あんなにうざかった大雪もぜんぶ 雪粒ひとつひとつが愛おしくなるんだろう 革の手袋を脱いで こどものように手の温もりで そっと雪を溶かすんだろう 雪玉を作って誰かにぶつけたい心理よりも 初めて雪をさわったあの日のように ただ触れて味…

数十年前の数週間後、ぼくのおじいちゃんは生まれた。 今まで沢山の人と握手をしていたけれど、その感触も冷たさも鮮明に記憶している手は、じいちゃんのだけだ。 今まで沢山の人の顔を触ってきたけれど、そのひんやりとした冷たさを手が思い出せるのは、じ…

たんじょうびけーきとパインハンバーグ。

なんでもない日にケーキを買った。 閉店していたのに、「いいよ」とお店に入れてくれた。 全部自分で食べるつもりなのに、 家族の人数分を頼んでいる自分がいた。 4つ頼んだのに、 「シュークリーム入れておくね」とおじさんは言ったけれど ショーケースに…

人をころすような人ではありません

「人をころすような人ではありません」 なんて容疑者の家族や容疑者の知り合いは言うけれど 人を殺しそうな人が家族や知人にいる人の方がよっぽど珍しい さっきカフェで美味しそうにコーヒーを飲んでいた女の子も 高級イタリアンを食べていた素敵な女性も そ…

寝静まった街を見れば

夜の寝静まった街を見れば この街が人間の物(ぶつ)ではないことがわかる この星が人間の物(ぶつ)ではないことがわかる 人間がこの星に住まわせてもらっている身だということがわかる 真昼間の街にお出かけすれば 人間の街にしか見えないのに 田舎に行けば 人…

「知らない」という恐れ

海外へ行く時に、異常に危険ばかり心配する大人はもう消えた。 なぜなら、海外を知っているのはその人ではなく、もうこちらであるからだ。 僕が海外を経験したからこそ彼らは何も言わなくなったけれど、僕にしたら彼らの方こそ普段の生活に危険はないのかい…

「とまと」

とまとは、赤い。 でも、青いとまともいる。 いつかは赤くなる青いとまともいれば、 黄色いままのとまともいる。 色のちがいだけかと思い、 赤い子どうし 青い子どうし 黄色い子どうし あつめてみたけれど 青い子たちをよくみたら でっかいとまとがひとりぽ…

女性が女性を思い出すために、子供への性のために。

海外へ行くのに細かい理由なんてないけれど、「すきだから」とか「気分で」という真っ当で最大限の素直な表現をしても通じない“うるさい人間”の為に、今まで何度も文字や言葉にしてきた。今だから思うが、その必要はなかった。もしそこに必要性があったとす…

一人映画の果て

今日でこのすっかり住み慣れた家と、そこの唯一の同居人であった年季の入ったピアノとまたねをする。人間は本当に慣れてしまう生き物で、この家に到着した日は子供のようにはしゃぎ喜んだのを鮮明に覚えているが、それから今日までは至って普通の毎日だった…

お金の目覚め

ぼくはこれまで大事なことを忘れていた。 今ぼくらが生きているのは三次元の物質世界だということ。 19歳からのヨーロッパ一人旅で、 「思い通りになる」「どこへ行っても助けてくれる人が現れる」 という引き寄せ慣れをしてしまった僕は 「おかねなんてい…

人類の為の人工第二言語(国際補助語)について

ここ最近、ヨーロッパに来てから「言語」について考えることが本当に多かった。 2年前、初めてヨーロッパに来た自分はなぜだか共通言語の全くないトルコ人と2ヶ月間も一緒に住むことができた。しかもそこにストレスはなく、あるのは簡単な英単語「グッド」…

かなっていた

いま大好きなヨーロッパで、かなり好みの色調の壁、床、小物ひとつ切り取っても本当にお洒落で自分好みの部屋にいる。この細部へのこだわりと、センスの良さがたまらない。日本の賃貸では絶対にない。家のどこを切り取っても、「ふぅ」と美しさと落ち着きを…

おこる

ほんの少し前までは相手に怒りを見せたりぶつけたりするのは"子どもらしい”と思っていて抑え込んでいたけれど、どうせ本当はある怒りを抑えてある日爆発するくらいなら最初から素直に相手に伝えるのが心地いい。ぶつけるのは良くないけど、時にぶつかったっ…

場所

喜怒哀楽の喜だけが詰まった場所とお別れするのは、案外かんたんに出来てしまう。 けれど喜が詰まった場所で沢山泣いたり怒ったり暴れたり、傷や涙も一緒に壁に染み込んだ場所とお別れするのは本当につらいのだ。 わらって、ないて、怒りくるって、争って、…

空から爆弾を落とせる気持ち

たった一度の動作で大量の人間を殺してしまえる爆弾を落とすという行為を、ましてやそれも青くキレイな空から。 一体誰がそんな残酷なことを出来るのだろうと思っていたけれど、このあいだ飛行機に乗りながら地上を見下ろしている頃、とても冷酷なことにちょ…

しあわせの意味

しあわせの意味など、いつも変わる。 自分がどこで、なにで幸せを感じるかだ。 そうでないとかえっておかしなことになる。 いやでもそうなってしまうのが人間らしい。 「〜が叶ったら私はもうなにもいらない」 とか具体的には 「たつやと付き合えたら死んで…