BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

かみへ

愛の音はどんな音ですか

品があり高貴な黒鍵の音ですか

それとも時に子供らしく何も知らないような無邪気な白鍵の音でしょうか

そのどちらも合わさった和音でしょうか

教えて下さい

あなたが愛に基づいて愛の曲を奏でる時、

それはどの音をどの様なタッチで

どの様に響かせるのでしょうか

僕はただ

切なさを覚えました

教えて下さい

誰かを愛する時

僕のその愛のせいで

そこに元からあった愛を壊したり

踏み潰したり

ぐしゃぐしゃにしてしまう末路は

更にその末路を知っていてまで

僕が赤い心を捨てないことは

愛でしょうか

それでもそれを愛と呼んでくれるでしょうか

それともそこで壊れる愛など無く

あったとしても白紙になることはないのなら

又は成長してカタチが変わるだけの愛ならば

今これを書き撫でているやさしい僕はとても楽ですが

いつもの恋人に嫉妬したり怒ったり

ただの「人間」の姿形したいつもの僕は

とてつもなく嫌です

それくらい

他の物を平気で投げれるくらい

この星で一番の美しい物を見つけたかの様に

すぐに僕にとっかかってくる我儘な愛が欲しいのです

しかし僕の愛は

誰かを

もしくは「みんな」が幸せになるものだって

僕が言っていたから

それはそれで嫌なんだ

だけどどっちも嫌なんだ

だからこれを書いている「やさしいぼく」

にいつもなれたらいいな

だけど人間らしくみんな死ね

とか

ばかやろう消えろ

とか

そう思ってしまう

いや

こんだけ博愛主義な心を持つ俺が

そんな人間くさい感情を持てる

そんな愛おしい弱々しい心も

愛で奏でたい

誰かにこの心を抱いて撫でてもらうことも大いに必要だが

こんな切なき少し人より優しすぎた女の子は

俺の中のちょっぴり男より男らしい俺が

だいてやる

君は強くならなくていいよ

心の中でそう何度も呟いて

俺が抱いてやる

大丈夫だよ

おやすみ