BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

 

俺が花だったら

 

美しい花には棘がある

 

といわれる薔薇かと思えば

 

道路に独りぽつりと強く生えた

 

雑草や素朴でキレイな花かもしれない

 

 

僕は「美しい花には棘がある」という言葉は

 

あんまり好きではない

 

それは棘が酷く、鋭く、痛い物と指しており

 

棘を美しさと対義させた表現だからだ

 

棘が美しくないなんて僕は思わないし

 

「棘のある花は美しい」

 

の感覚の方が僕には合致する

 

 

それにもしも「棘」を痛い物だと表現するならば

 

薔薇の様に派手やかで艶やかな女性より

 

百合みたいな女が一番棘しかねぇよ

 

おれは知ってる

 

薔薇の様な美しく繊細で棘を持った女が

 

一番心が他人に刺された棘の傷だらけだということ

 

身を守る為に棘を身につけざるを得なかったということ

 

 

実際の薔薇がどうかは知らないが

 

それはそれは「美しさ」を持ってしまったが故に起こる苦難を経て強く、またそんな他人に理解されない独りぼっちの心を守る為に棘は生まれたのだ

 

 

向日葵の様な女性に裏表はないかもしれないが

 

人間でいえば土の下を剥げば棘だらけかもしれない

 

 

棘を隠すこともせず

 

堂々と凛と繊細に聳える薔薇が

 

僕は好きで

 

それがまるで自分自身の様だ