BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

寝静まった街を見れば

夜の寝静まった街を見れば

この街が人間の物(ぶつ)ではないことがわかる

この星が人間の物(ぶつ)ではないことがわかる

人間がこの星に住まわせてもらっている身だということがわかる

 


真昼間の街にお出かけすれば

人間の街にしか見えないのに

 

 

 

田舎に行けば

人間が暖かかったことを知る

 


海に行けば

海の偉大さと太陽の生を浴びる

 


山に行けば

自然が生きていることを知る

 


夜の星は

どんなに激しくぶつかったり

ものすごいスピードで落ちていったって

 


地球の人間はあまり見てくれやしない

 


花がどんなにキレイに花を咲かせようと

ライオンがどんなに華麗な狩りを見せても

深海魚があれほど美しく深海の海を照らそうと

 


ビルで生きている人間たちは

なにも気づかなかった

 


彼らは別に構わなかった

 


けれど彼らの仲間は

何人も人間に殺されてしまった

 

彼らの住んでいる秘密基地も

次々とられてしまった

 

戦う選択すら与えられずに

 


彼らはやさしいから

それでも今日も綺麗に生きるけれど

 


青い人間はどんどん

大きな手で掴み潰し

大きな足で踏み潰した

 


ぼくはそんな人間がきらいである

 


でもおかしなことに

このぼくもまた

人間の体を頂いて

この地球に生まれてしまった

 


ぼくの使命はこの地球を

愛と情熱に溢れた赤い人間で

いっぱいにすることだ

 


だれかひとりを愛することにより

他の大勢を青く塗りつぶしてしまう愛ではなく

 


だれかひとりを愛しても

好きなものは次々と赤く塗りつぶしてしまう

 


やさしい愛しかいらない

 


好きがぶつかり合ってきらいが生まれる幼稚な愛はもういらない