BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

素晴らしき

 

 

僕は今日、とある大役を演じられなかった

 

その瞬間はふと降りてきた

 

しかし僕は今日、その大役の細かいセリフや自分の表情までずっと詳細に考えながら生きていた

 

だけど今日、僕はそれを演じれられなかった

 

心がそれを拒否したからだ

 

 

僕は嘘を演じられない

 

僕にはそんな台本は必要ないからだ

 

嘘がだいっきらいだからだ

 

うつくしくないからだ

 

そんなものを演じる暇があれば

 

何も演じずに堂々としていたいからだ

 

 

じゃあ何を演じるのかといえば

 

本当の僕だ

 

それは酸いも甘いもしょっぱいも塩辛いも経験してきた僕の顔だ

 

僕がしてきた顔だ

 

 

 

 

 

 

また今日も音楽だけが僕をうらぎらなかった

 

また音楽だけが僕を守った

 

また音楽だけが一緒にいてくれた

 

そして音楽もまたひとりぼっちだった

 

 

孤独と孤独が合わさった時

 

それはそれは美しかった

 

 

人と人の二つの孤独は

 

抱きしめ合おうとすると

 

抱きしめ合ったフリをするだけで

 

より孤独の穴をほじくり合うだけなのに

 

 

音楽

 

それはすべてを包みこんだ

 

 

 

だれもいないセブンイレブンの駐車場

 

魂が抜けた体を横たわらせる深夜1時

 

コンコン、と窓を優しく誰かがたたいた

 

それはまるで安否の確認かの様に優しかった

 

 

 

そして僕は睡眠の世界から抜けた

 

しかし起きた世界もまた夢かもしれない

 

誰かの夢の中で僕は寝て起きているのかもしれない

 

夢か夢じゃないかを確かめる方法はなかった

 

セブンイレブンを眩しいと感じることで、僕が生きているということだけは知った

 

 

車をはしらせた

 

信号は黄色だった

 

いつもは危険を知らせる黄色はとても暖かった

 

バックミラーに映る水溜まりに反射する緑や赤はSF映画の中のクリスマスの様だった

 

全く知らない道路に僕一人

 

ファミマの色を眺めてシエラレオネにいると脳が錯覚した

 

しかし俺がいるのは本当にシエラレオネかも分からない

 

ここが日本かも誰も知らない

 

 

今日も僕はそんなシエラレオネの丘の上の愛を手にしようとしては捨てた

 

いいや俺はつねに抱いている

 

顔も知らない人への愛まで

 

そうさ

 

 

そうなんだ

 

 

 

地震でそこに誰も友達すらいない僕が

 

一番この間はねむれなかったのさ

 

 

何もしてやれない辛さもそうだが

 

あらゆる人の

 

本当にあらゆる人の気持ちや状況を想像すると

 

起きても寝てもいられなくなったんだ

 

 

俺がスーパーマンだったら良かったなと

 

スパイダーマンだったらこう助けるな、と

 

何度もイメージ内で助けたが

 

手から糸も出なけりゃ高く飛ぶことも出来なかった

 

 

だから僕は手から出ない糸や飛べない足や

 

足りない腕力や出せない魔法の代わりに

 

音楽という手をさしのべるんだ

 

 

僕がスーパーマンになれるのはただそれだけ

 

かんたんなことさ

 

 

子供の夢は公務員よりスーパーマンがいいだろう?

 

 

僕はずっと夢を見てる

 

だけど僕が子供じゃないのは

 

夢を叶えられてしまうからさ

 

しかし僕が夢を見続けられるのは

 

僕が子供だからさ

 

 

どうか大人達よ

 

人の夢を馬鹿にするほど

 

羨ましいのなら

 

馬鹿にする暇があるほど

 

人生謳歌出来てねぇんなら

 

今日一日ミスドでも食って元気出せよ

 

 

俺が夢を叶えることで

 

教えてあげるよ

 

 

1+1=2 よりもこの世で一番簡単な

 

願ったことは叶う

 

ということをね

 

 

 

それではおやすみ

 

 

 

 

みんなしのうか

 

いちどだけ