BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

「君の名は。」

 

あの日のトルコ人の目に、

 

オーストリア人の目に、

 

ハンガリー人の目に、

 

海辺を歩く鳥の目に、

散歩をする犬の目に、

 

なぜ自分が映っていたのか分からない。

 

 

本当に映っていたのかすら分からない。

 

 

アイリッシュパブでの音楽の中に

なぜ自分の声が混じっていたのか。

 

鳴り響く拍手の中に、

なぜ自分の手の叩く音まで混じっていたのか。

 

 

 

見知らぬ地で生まれて、育って、

 

そのまま普通に生きていたら

こんなことはなかっただろうに。

 

 

何があったことやら、

 

 

彼等の目には自分の顔が、

 

彼等の耳には自分の声が。

 

 

 

彼等が死を迎えるときに、

 

果たしてそこに一瞬でも

自分の姿があるのか分からない。

 

名前さえあるのか分からない。

 

 

それでも彼等の人生の数秒間の間、

 

「YUME」または「PERCY」

の名前が存在していたことは確かなこと。

 

自分の身体と声が在ったのは確かなこと。

 

 

 

もしも

 

彼等が死を迎えるまでに、

 

自分の何か一つでも

思い出すことがあったら、

 

 

それは笑顔であってほしいし

笑い声であってほしい。

 

 

その全部を忘れてしまったら、

 

「そこにいた」という記憶と

名前だけ覚えてくれればそれでいい。

 

 

そしてその瞬間が

一度でもあれば、

 

死ぬ時には覚えてくれてなくとも

それでイイ。

 

 

 

連絡先も交換しなかった出逢いでも、

顔と名前だけは知っている。

 

 

人がどうして名前を知りたがるのか。

 

どうして名前を呼びたがるのか。

 

どうして名前を覚えてほしいのか。

 

 

 

今一番知りたい。

 

 

もう一度も使うことはないのに、

 

名前を聞いてから、

バイバイをする意味を。

 

 

 

 

本当に知りたいのかも

 

 

分かんないけど。

 

RADWIMPS縷々(るる)歌詞付き - YouTube

 

 

 

それより明日の天気は、

 

雨かしら。