BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

崖の上の俺

 

 

今日もみんなありがとう

 

俺は人がだいすきなんだ

 

人がだいすきだから人で泣くんだ

 

誰よりも人で喜んでは誰よりも人で傷つく

 

本当に本当に些細なことでな

 

俺の人生なんてぜんぶそうだ

 

みんなそうだけど俺は特にそうだ

 

みんなと比べ物にならないくらいそうなんだよ

 

虹のような世界を俺はいつも求めてる

 

みんなが違う色で重なりながらアーチを作り、それを見ている人も小さな幸せを感じるようなね

 

虹の一色一色にハッキリと境目があったら俺はあまり虹に惹かれなかったかな

 

それぞれ違いながらもちゃんと一部は重なりたいんだ

 

 

誰よりも愛を愛している俺の中の僕が

 

愛を落っことしてきた人間達に愛を削ぎ取られる様に虐められるのが本当に本当に嫌なんだよ

 

愛は削ぎ取る事とは真逆ですらなく、もっともっとそれとは遠い遠い場所にあるんだよ

 

笑顔という、雨上がりに光る水溜まりの様に美しく素朴に輝く宝物を本当はみんなみんな持ってたんだよ

 

でもそうとは言いきれないから生まれた頃の写真を見てみたいな

 

今じゃ笑顔ひとつ見せてくれないあのババァの幼少期の笑顔を見たら、俺は泣けるだろうな

 

元は可愛くニコニコしていた子の笑顔を奪った奴がいるなら、奪った世界があるなら、

 

俺は全力で取り戻したいと思うよ

 

最初から愛のかけら一つ貰えなかった寂しい幼少期だったなら、そんときのお前は抱いてやる

 

でも成長したお前はくせぇから抱かねぇ

 

 

戦う事を拒む俺には槍も銃も防具もない

 

そして助けようとしている俺がズカズカと刺されるこのうんこ世界

 

俺はこの素晴らしい愛と笑顔溢れる俺を殺さないように大切に抱きしめながら、しばらく自分を防御出来る道具だけ身に付けます

 

槍はいらねぇ

 

 

いっそ腹がいたくなりたい

 

そんなこと言ったらほんまになるで

 

でもね僕はつかれたんだよ

 

いやずっとずっとずっと

 

ずっと前からつかれてるんだよ

 

たまたま僕を愛してくれる人にいつもいつも囲まれてここまで来たから

 

たまたま死なずに済んだだけで

 

俺の周りが美しい人間ばかりでさ

 

 

言いたい事も分かんないけど

 

戦いたくはないんだ

 

仲間にしたいんだみんな

 

でもむりなんだ

 

むりでいいんだ

 

でもそれなら世界を住み分けしようぜ

 

してくれよ

 

 

これ以上

 

純粋に透き通った子供の魂を持つ大人を、腐った大人達に殺されたくない

 

それだけは俺は許せねぇ

 

愛に僻むことが大人になることじゃないよ

 

愛し愛されるせいで沢山刻んできた傷という名の愛の証を、それでも描き毟らずに抱きしめ

 

優しくカサブタをはがしながら

 

もう信じられないような愛をまためげずに歌い出せるのが大人だろ

 

子供の頃から誰にも愛を与えてもらえなかった可哀想な大人たちを

 

俺は何度も抱きしめようとはしてきたが

 

それで増えるのは負傷者だけだ

 

もう俺は助けられない人は助けない

 

あいつらを助けられるのはあいつら自身しか無理だから

 

抱こうとしてトゲが刺さる経験を重ねるに重ねてやっとそれに気付いたぜ

 

どうか俺にでは無く自分自身に抱かれて下さい

 

あんたはあんたにしか抱けねんだよ

 

トゲがざっくざくだから

 

そのトゲを抜けるのもあんたしかいねから

 

大変申し訳ないな

 

俺は愛を莫大に抱えた俺を愛することにするぜ

 

愛を受け取れる人間にしか愛を与えないぜ

 

しかしこれも愛なんだぜ

 

お前らとは違ってな

 

これ以上可愛い俺を虐めんな