BOKETTO

ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

女優を目指す意味

 

女優になったら、

 

「何にでもなれる(演じられる)女優を通して、私がどんな大役を演じようが、何にでもないということを表現したいです。」

 

という意味不明な事を言うシーンが見えた。

 

 

━━━なぜ女優になろうと思ったのですか?

「私が有名になってシンデレラ役を演じても、私はただの女の子になることも出来るのです。そして実際には、ただの女の子。そしてそれは誰もがそうなんです。どんな人間でも日々何かを演じています。例えば、電話に出る時には声が高くなったり、好きな人の前ではぶりっこしたり。

私は25歳くらいの妖艶なオーラを出すことも、15歳くらいの少年になることも、5歳児になることも出来ます。性同一性障害だと噂されたり、多重人格だと言われたこともあります。“キャラ変えてると疲れるよ”と言われ、どれが本当の私なのだろうか?と悩んだ時期もあります。しかし、どれも私なのでした。

 

━━━なるほど。

例えば、私が人を殺してしまったとします。すると人々はこう言うでしょう。「人を殺すような人じゃありませんでした」と。しかし、どんなに普段和やかな人でも、自分でも驚く程に怒り狂ってしまったシーンが人生に何度かあったのでは無いでしょうか?勿論、周りの人達はそんなあなたを想像出来ない。今までも、これからも、知らない仮面も持っていることです。

誰もが家族に見せる顔と友達に見せる顔、職場に見せる顔と不倫相手に見せる顔が違う様に、身近な家族や恋人でさえ、その人の“ほんの一部”の役柄の顔しか知らない。じゃあ人は一体その人のどんな顔を愛していて、どんな顔を知れば嫌いになるのだろう?と。好きも嫌いもその人のほんの一部で決まってしまうのが、とても儚く見えたんです。ならばカメレオン女優になって、どの役も私の断片でしかないことを証明しようと。役を演じている「私」だけが唯一私。「どれが本当の性格なの?」と混乱させる為に今日まで頑張りました(笑)

 

━━━〇〇さんにとって、俳優の仕事とは?

映画ではベッドシーンもあります。でも服を脱ぐシーンが無くとも、俳優は世の中に裸をさらけ出す様な仕事なのかもしれない。

 

━━━は、裸になる仕事!!(驚)

はい。人が環境や人ゴトによってコロコロと変えている3面、5面、10面の顔を、世にさらけ出すのですから。普通ならば恋人にしか見せない顔や、一人で寂しく泣く顔、一人で怒り狂う所…etcをあんなに大きなスクリーンや合鍵も無い人様の家のテレビに映りに行くんですよ(笑)

 

━━━そう言われたら、そうかもしれない(笑)

 

━━━最後に、俳優を目指している人達に伝えたいことは?

誰もが映画に出れるか?と聞かれたら、台本を覚えたりカメラが回る前で瞬時に感情的になったりするスキルは勿論必要。けれど、それが出来たからといって、映画が莫大に売れたからといって、家に帰ればただの人間。また違うお面を付けるか、一人になってお面を外す。そんなことは皆がやっています。皆が主人公で、皆が誰かの脇役、エキストラ。たまたま映画という媒体が多くの人の娯楽に関与していて、テレビの中の人間とは大きなスターに見える。それだけの事です。

ですから、俳優になる!有名になる!の動機を思い出してください。きっと既にあなたの心に答えが眠っています。自分はこれまで何に怒りを感じた事があるのか、何に切なさを感じ、何をされて悲しかったのか。または家族と観に行ったあの日の映画の感動かもしれません。強く胸に抱いてしまう事には、必ず理由があります。ガムシャラに動く前に、静かに目を瞑って知るのです。自分の心の寝静まっている部分をノックするのてす。」

 

と答える。

 

 

 

そして、独りでにこう続ける。

 

「あなたはいいね、と美人であることを妬まれるのがとても嫌でした。私は生まれながらの美人ではありません。この力強い目力も、生まれながらにして持った物ではありません。小顔やスタイルは努力。今もやめればすぐに丸くなります。目力はあらゆる事に向けた怒りや哀しみ、それらを見てきたからです。それをわざわざ自己紹介で話すと面倒臭い。だったら映画1本見てくれて、色んな表情を見てくれた方が良い。観るのがダルい人には、一生嫉妬されときゃ良い。

 

生まれながらの美人には私も嫉妬します。しかし、自信が無いという苦悩を経てから努力という日々の志で美を手に入れた美人には、生まれながらの美人には無いオーラやパワーがあるのです。

私を見て、外見は変えれるという事と、又それとは真逆の“今持っている物で既に美しいんだ”という事を学んでくれたら嬉しいです。それは毎日悪口を言っているような人には値しません。“生き方”という筆が何年、何十年とかけて顔にお化粧(アート)をする。愛が深く刻まれた目尻のシワ、人を愛してきた強みのある目力、それらが最も嘘のつけない尊い美です。」

 

 

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僕は、有名になったら、グレイティストショーマンの「Never enough」の感情になるのが目に見えていた。今でさえ天才だモデルだ言われて孤独を感じる僕が、世界規模の女優になって名誉と財を手に入れたら。余計に大きな孤独を味わうことなど知れている。それは、「僕はただの人間で、みんなと変わらないのだよ」という孤独。

 

じゃあ、何の為に女優を目指したいのだろうか?と数ヶ月悶々としていたが、まさか理由がそれと直結するとは思っていなかった。わざわざ大きな事を成し遂げたり汚い過去をさらけ出して、“人を愛する際に大事な事はそこではないのよ”と謳う。そんな馬鹿みたいなショーを繰り広げたい様だ。

 

もし配役で父親が死ぬシーンがあった時、本当にその父親役が死ぬ事に涙を流すのか、実の父親が亡くなることも重なって泣くのか、正直僕はまだ分からない。でもまだ1度も俳優をやったことの無い、学習発表会でひとゼリフだけしか言ったことの無い僕がここまで目的地を見出した。

 

つい昨日まではやるべき事が低迷していたので、また紙に人生の最終目的などを整理しようとしたら、1-2年前に既に纏めた殴り書きが出てきたからだ。

 

数年前から言ってることなんも変わってねぇ、という絶望感は、今回は「安心」に変わっていた。「なんだ、おれ分かってたじゃん。」「なんだ、ここに書いてたのね。」と。

 

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(字きったねぇ!!笑)

 

 

 

 

 

勿論、僕の肩書きである「自由」や美の感性を僕という存在から上手く奪って欲しい。この「生」を謳歌することを忘れた日本人にね。

 

そんな僕にも「やるべきことが分からない」と言ってる大学生みたいな日が続いてた。でも、他の多くの人が見えていない先の先の先である最終目的地をずっと探ってきた。

 

だからこそ、スタートダッシュは遅れてる。

 

だけどガムシャラに突っ走ったうさぎが後で息が途切れるか道に迷ってるかの間に、バイクに乗った亀さん(僕)がウィリーで駆け抜けるよ。

そして教えてあげるんだ。

 

ただ頑張っても辿り着かないこと。

 

神へのオーダーは、具体的じゃなければ通じないこと。

 

Googleマップに散らされた僕達が求める居場所も絶景も、行先を伝えなければ行けないのだ。

 

 

 

 

「この人生は、なんにでもなれる。みんなが日常的に何かを演じているように。そしてなんにでもなってみた所で、そいつはなんにでもない。みなが最初から特別な一人なのだ。」

 

 

 

 

 

いつか母校、若しくは小学校の恩師と小学校で小学生相手にトークをしたい。

 

 

大人の一言で、早々と夢を潰すことも、膨らませてやる事も出来るから。

 

 

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