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ヨーロッパ一人旅の記録とひとりごと。

あん

「映画 あん」の画像検索結果

an-movie.com

 

 

 

以下、ネタバレではあるものの映画の説明も何もないので観てない人には何のことかもわかりません(笑)

 

 

 

登場人物の名前も忘れたので役者さんの名前そのままで。

 

 

 

 

 

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人間の死はなぜこんなにも美しいのかとおもう。

 

 

 

もしもあそこで樹木希林が死を遂げなければ、

 

元気にもっともっと長生きしたりだとか

 

一生死なないファンタジー映画だったら

 

 

 

生前、樹木希林が残した言葉や仕草や“あん”、

 

また姿形はそこまでの美しさは持たないだろう。

 

 

 

 

 

数人が同じ映画を観てみな同じように感動をしたとしても

 

感動した理由やポイント、脳裏に焼き付いたシーンはそれぞれ異なる。

 

 

 

あんこに何か思い出がある人は題名から唆られていただろうし

 

樹木希林の死を想って足を運んだ人は映画を越えたものまで感じるであろうし

 

永瀬正敏が好きな人はただただ格好よさに2時間惚れ続けていたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、個人的に特に残っているシーンはこれら。

 

 

 

休みと言われた日に店長よりも早く店に着き、一人であんを作る樹木希林の姿。

 

 

 

女の子から引き取ると約束した鳥を手放したこと。

 

 

 

また女子中学生達のすっぴん感を飾らず素朴に描いた映像も美しかった。

 

 

 

 

 

 

 

この映画で何とも美しかった樹木希林

 

 

 

最近、何度も読み返している本、

 

d・カーネギー著書「人を動かす」に書いていた2つのことを彼女は行なっていた。

 

 

 

 

 

樹木希林は風や木や月、この世の全てのものに「言葉」があると信じ、

 

どら焼きの「あん」作りの際にもいつも、いつも耳を傾けていた。

 

 

 

あんを調理する際に言った「おもてなし」という言葉は

 

お客様にではなく、ここ(店)までやってきてくれたあんに向けた言葉であった。

 

 

 

そのシーンだけでも十分、料理好きな自分にとっては物凄く大きく胸が動いた。

 

 

 

 

 

だけどしかし、冷静によくよくそれぞれの立場になって想像してみると、

 

女の子にとってそれはそれは大切であった鳥を、引き取るという約束をしたのにも関わらず

 

自然に返してしまった行為はシーンとして目立ってはいないが、かなり大きなポイントに感じる。

 

 

 

 

 

これを上記に書いたd・カーネギー著書「人を動かす」に当てはめれば、

 

 

 

「自分の利益よりも“相手が何を求めているか”を考える」

 

 

 

といった一節がピタリとはまる。

 

 

 

 

 

樹木希林はそれを努力して身につけた訳でもなく、

 

それが当たり前のように生き様として備えていた。

 

 

 

 

 

 

 

その結果、女の子との約束よりも

 

鳥の放った言葉を優先したのであった。

 

 

 

自分の意思を殺されて他人の都合で檻に閉じ込められる鳥を、

 

まるで自分と重ねるように。

 

 

 

女の子が樹木希林が自然と会話するのを知らず無理解だったら。

 

 

 

かなり怒るかもしれないシーンだったとも思う。

 

 

 

 

 

 

 

また、「人を動かす」からもう1つ。

 

 

 

当たり前のことに感じるが、最近感じていたことだった。

 

 

 

 

 

 

 

「どんな善人も批判を避けることはできない」

 

 

 

ということ。

 

 

 

 

 

 

 

あんなに愛に満ち溢れた人間やお店でも

 

100人中100人に愛されはしないのだ。

 

 

 

また繁盛すれば繁盛するほど

 

愛あるお客が増えると同時に非難する人間も増えるのだ。

 

 

 

 

 

こんなことはよく知っていたことだけれど

 

本で何度も読み返すのと、

 

実際に誰かの人生ドラマを2時間かけて入り込みながら観るのとでは

 

感じ方がまるで違った。

 

 

 

 

 

 

 

また「人を動かす」にはこう書いてある。

 

 

 

 

 

 

 

「自分の中で正しいと信じていることをすればよろしい。

 

しても悪口を言われ、しなくても悪口を言われる。どちらにしても批判を逃れることはできない。」

 

 

 

 

 

「〜気にしないようにするしか手はない。そのとき以来私は、いつも最善を尽くすことを心がけ、

 

あとは古傘をかざして、非難の雨で首筋をぬらさないようにしている。」

 

 

 

 

 

 

 

これから自分がどんな批判にあおうと、これらの言葉を忘れないようにしたい。

 

 

 

 

 

 

 

またある本には

 

「ダイアモンドは他人にどう言われようと輝いているのが正しい。」

 

と書いてある。

 

 

 

 

 

 

 

どんな批判を受けようとも、いつどんな時も輝いたダイアモンドでいたい。

 

 

 

輝いていても、輝かなくても、うるさい人間はいる。

 

 

 

ならばうるさい人間を気にして輝くことを恐れるよりも、

 

いっそ輝いていた方がいい。その方が美しい。

 

 

 

 

 

自分がダイアモンドであることを忘れないようにしたい。

 

 

 

 

 

 

 

樹木希林はとても美しかった。

 

 

 

 

 

愛を持ち、それを盛大に振りまくわけでなく、見返りを求めることもなく、

 

ただ静かにずしんと抱えており、

 

愛そのものである彼女の周りが淡い赤色に染まっていた。

 

ただそれだけだった。

 

 

 

この映画で愛はとてもじんわりとしていて、

 

派手ではなくゆるやかな時間と共にゆっくり流れている。

 

 

 

 

 

邦画にはこれが出来るなぁと感じた。